タンチョウの生態

更新日:2023年08月18日

大きさ・重さ・色合い

体長(くちばしの先から尾っぽの先まで)100~150cm、翼開長(翼を広げたときの長さ)220~240cm、重さは7~10kg程度、立ち姿は140cm程度、脚の長さは約60cm。日本では最大級の大きさです。平均するとオスの方がやや大きいです。

オスもメスも同じ羽色で、からだは全体に白色、首と翼の一部が黒色、頭頂部が赤色です。

翼をたたむと黒い部分が外側に出て、ちょうど尾っぽの上にあたるため、尾っぽが黒色と思われがちですが、尾っぽ自体は白色です。

頭頂部は羽が生えておらず皮膚が露出しています。興奮すると赤色の部分が広がります。

オスとメスの見分け方

前述のとおり色合いはオスもメスも同色ですので、ぱっと見で見分けるのは難しいですが、つがいの場合は行動を観察することで見分けることができます。

【つがいがかけあうように鳴いているとき】
2羽が並んで上を向き「コーカッカッ!」と鳴いていることがあります。これはつがいによる”鳴き合い”と呼ばれる行動で、なわばり宣言やつがいの絆を深める意味があると考えられています。この声は実はオスとメスがかけあうように鳴いており、「コー!」がオス、「カッカッ!」がメスの声です。ですので、くちばしに注目するとオスが1回、メスが2回くちばしを開きます。冷え込みが厳しいときは白い吐息の出具合で見分けられます。鳴き合うときはオスだけが翼をグッと持ち上げることが多いです(持ち上げないこともありますし、メスが持ち上げることもあります)。

【交尾のとき】
交尾は2月下旬ごろから観察されることがあります。交尾が始まる前にはメスは翼を広げてオスに背を向ける行動をします。交尾自体はメスの上にオスが飛び乗ります。

【大きさの違い】
つがいが並んでいるときは、普通はオスのほうがやや大きく見えますが、大きさに差がないことも逆転することもあります。

一年のくらし

つがいは一年中一緒に行動します。また、つがい相手を変えることは少なく、相手が死ぬまでつがい関係が続くことも少なくありません。

【春(3月下旬から6月)】
つがいは繁殖のため湿原に移動し、なわばりをかまえます。主にヨシの枯茎を湿原内に積み重ねて座布団のような巣を作り、3月下旬から5月に産卵します。卵は普通は2個産みます。約1ヶ月で枯草色のヒナが生まれます。

生まれたヒナは数日で親について歩き回るようになり、親からえさを与えられ成長していきます。

【夏(7月から9月下旬)】
ヒナは枯草色からだんだんと白い羽に生え換わり、生後3ヶ月もすれば成鳥と変わらないくらいの大きさになります。生後100日程度で飛べるようになります。8月中旬以降は牧草の2回目の刈り取り時期ですが、刈り取り後の牧草地でよく姿を見かけます。

8月下旬以降は、他地域から越冬に向けて鶴居村に飛来するタンチョウが増えてきます。9月下旬にデントコーンの刈り取りが始まると、刈り取り後の畑に群れる姿が見られます。多い時には1ヶ所の畑に100羽前後が集まることもあります。

【秋(9月下旬から11月)】
主に刈り取り後のデントコーン畑や牧草地などで過ごします。

【冬(12月から3月中旬)】
自然界でとれるえさが少なくなってきて、だんだんと給餌場に集まるようになります。特に積雪や厳しい冷え込みに伴い給餌場への飛来が増えてきます。

夕方になると、周辺の不凍水域に移動し、ねぐらをとります。

食べ物

タンチョウは雑食性の野鳥で、いろいろなものを食べることがわかっています。

給餌場ではえさとしてデントコーンの種をまきますが、その他穀類や植物の芽や実も食べます。

水辺では小魚、カエル等の両生類、ザリガニ、貝、水生昆虫等を、湿原や酪農地帯では、昆虫類やミミズ等を食べます。

特徴的な行動

【親子で行動】
春に生まれたヒナは飛べるようになり越冬地に来ても親とともに行動します。からだの大きさは親と変わらないですが、まだ茶色の羽が残り、「ピーピー」と、いかにも幼鳥のような声を発します。

【子別れ】
2月以降は、親が幼鳥を突き放したり、幼鳥を残して飛び去ったりと、幼鳥の独り立ちを促します。3月には幼鳥をはじめとする若鳥が群れで行動するようになります。

【鳴き合い】
オスとメスが上を向いて、かけあうように「コーカッカッ! コーカッカッ!」と鳴きます。オスが「コー!」、メスが「カッカッ!」と鳴きます。なわばり宣言やつがいとのきずなを深める行動と考えられています。

【求愛ダンス】
繁殖期が近づくとオスとメスが飛び跳ねたり翼を広げたりと、まさにダンスを踊るような行動が見られます。つがいの絆を深める行動と考えられており、1月下旬から2月にかけてよく見られます。なお、繁殖期以外に踊ったり、つがいになっていない若鳥の群れが踊ったりと、求愛とは違う意味もあるようです。

【飛び立ち】
つがいや群れが飛び立つ前に、その合図のような声と行動が見られます。「コッコッ…」と小さな声を断続的に発し、首を伸ばして同じ方向を見て動きを止めます。ほどなく一斉に飛び立ちます。

【威嚇】
タンチョウはなわばり意識が強く、給餌場内であっても盛んに他のタンチョウを威嚇したり追い払ったりします。威嚇するときは頭の赤色部分が大きく広がり、首を伸ばしノッシノッシと歩いて相手に近づいていきます。その後鳴き合いをしたり、飛び蹴りをくらわしたりして、相手を威嚇します。決着がつくまで続くことがあります。

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